山火事さらに延焼、シドニーで健康被害の恐れも 豪州
(CNN) オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州で多発している山火事は、21日までに州内の62カ所に広がり、焼失面積は11万6000ヘクタールを超えた。同国最大都市シドニーの上空も煙に覆われ、住民の健康被害が懸念されている。
当局によると、山火事が発生した62カ所のうち、14カ所では火勢を食い止めることができておらず、特にシドニー西部のブルーマウンテンズでは住宅が焼失するなど大きな被害が出ている。同地域の3カ所で発生した山火事がつながって超広域火災に発展し、住宅地に火の手が広がる恐れもあるという。
期待された雨が降らずに地面や樹木が極端に乾燥しているうえ、強風にあおられて火の回りが速く、消火活動は難航。23日にはさらに気温が上がって風も強くなると予想されていることから、消防隊は延焼を食い止める作業に全力を挙げている。
消防局は「この規模の火災がシドニーにこれほど近づくのは異例の事態」「もし風向きが変われば、ブルーマウンテンズ地域の住宅など数十万戸が重大な危険にさらされかねない」と危惧する。
出火原因についても捜査が続けられており、ブルーマウンテンズの火災については軍の演習が一因になった可能性も指摘されている。
一方、シドニー北部のポートスティーブンズで13日に発生した山火事では、警察が21日に11歳と15歳の少年を放火などの疑いで逮捕した。