死の宣告ではなくなったHIV 25回目の世界エイズデー
ジャスティン・ゴフォースさんは92年、看護学を学んでいた26歳の時に陽性と診断された。当時まだ治療の選択肢はほとんどなく、感染者は米食品医薬品局(FDA)が87年に抗HIV・エイズ薬として初めて承認したAZTを処方されていた。
だがこの薬には命にかかわりかねない深刻な副作用があった。
「私はとても具合が悪く、ただ黙って泣き続けた。看護師が私をなぐさめようと、『あなたはまだ感染しただけだから、死ぬまでには6~8年ある』というような言葉をかけてくれたけれど、あまりなぐさめにはならなかった。でも当時はそれしか言いようがなかった」。ゴフォースさんはそう振り返る。
だが今では研究が進んで治療法も進歩した。ワシントンの医療機関の専門医レイ・マーティンズ医師は、「感染者であっても通常の寿命をまっとうでき、非感染者と同じような生活ができる公算が大きい」と指摘する。