マンデラ氏追悼式 オバマ大統領とカストロ議長の異例の握手も
ヨハネスブルク(CNN) 5日に死去した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領(享年95)の追悼式が10日、ヨハネスブルク郊外の球技場で開催された。「和解のシンボル」と呼ばれたマンデラ氏にふさわしく、世界各国の指導者から国内の一般市民まで数万人が一堂に会して同氏を追悼した。式の最中には米国のオバマ大統領がキューバのラウル・カストロ国家評議会議長と握手を交わすという異例の一幕もあった。
マンデラ氏は27年間に及ぶ獄中生活から解放された1990年、まずここで演説に立った。2010年7月、サッカー・ワールドカップ(W杯)の閉会式で公の場に最後に姿を見せたのもこの球技場だった。
外は灰色の雲が立ち込め雨が降っていたが、場内の人々は踊ったり歌ったり、南アフリカの楽器ブブゼラを鳴らしたりしてマンデラ氏への敬愛の念を示した。市民の中には仕事を休み、席を確保するために長時間並んだ人もいた。
10日はちょうど世界人権デー。南ア政府が設けた1週間の服喪期間はこの日、約4時間にわたる式典でクライマックスを迎えた。
式典は南ア国歌の演奏で幕を開けた。マンデラ氏の遺族や友人、国会議員、獄中での仲間が追悼の言葉を述べると、会場には「タタ(お父さん)マディバ」と、マンデラ氏の愛称を呼ぶ声が響いた。