北朝鮮、張成沢氏を処刑 「国家転覆はかった」
(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、金正恩(キムジョンウン)第1書記の叔父、張成沢(チャンソンテク)元国防委員会副委員長が国家転覆をはかった罪で裁判にかけられ、処刑されたと伝えた。
朝鮮中央通信によると、張氏は「あらゆる策謀と卑劣な手段を用いて国家転覆をはかった反逆者」として12日に特別軍事裁判にかけられた。裁判では起訴内容をすべて認めたとされ、直ちに死刑が執行されたという。
同通信は張氏について、党と指導者を裏切った「卑劣な人間のくず」であり、「犬よりひどい」人物と描写している。
張氏の処刑について、北朝鮮情勢に詳しい米ピーターソン国際経済研究所のマーカス・ノランド氏は「驚くべき展開だ」と指摘。「20年にわたって北朝鮮を見てきたが、私が覚えている限り、上層部の処刑が公に発表されたことはなかった。うわさはあったが、今回のような大々的な逮捕や処刑は前代未聞だ」と話している。
米政府高官は、まだ事実関係を確認したわけではないとしながらも、「指導部の1人に対する情け容赦のなさは、北朝鮮と新指導部がいかに国際社会の基準から逸脱しているかを改めて印象付けた」と語った。
張氏は金正恩第1書記の叔母の夫で、最近まで正恩氏に次ぐ北朝鮮のナンバー2とみられていたが、8日の朝鮮労働党政治局会議で国防委員会副委員長などの役職をすべて解任されていた