騒乱の南スーダンは危機的状況、オバマ米大統領
南スーダン・ジュバ(CNN) アフリカ南部の南スーダンで深刻化しているクーデター疑惑に伴う軍部隊同士の武力衝突で、オバマ米大統領は19日、危機的状況にあると述べた。
オバマ大統領は声明で、「2011年、全ての南スーダン人のための平和で豊かな未来という約束の上に、数百万の南スーダンの人々は新たな国家建設に賛成する票を投じた」と述べ、「今日、そうした未来が危機に瀕している。南スーダンは危機に陥っている」と指摘し、「指導者たちは政敵との和解は困難だと考えているに違いないが、歯止めのない暴力や解き放たれた憎悪から回復するのはそれよりずっと困難だ」と対話を呼びかけた。
今回の事態を受けて、オバマ大統領は南スーダンへ45人の米軍部隊を急派。議会への書簡で大統領は「米政府関係者と米大使館の安全を支えるため」としている。
また19日には、国連平和維持活動(PKO)部隊の基地が何者かに襲撃される事件が起きた。戦闘を逃れてきた民間人が巻き込まれた可能性があるという。
襲撃されたのは東部アコボにある国連南スーダン派遣団(UNMISS)の基地。「複数の民間人が死亡または負傷した可能性を示す証拠があるが、確認されてはいない。報告の通りであれば、襲撃犯は自らの犯罪の責任を取らねばならない」と国連は声明を出した。
襲撃の際、基地にはインド人兵士43人と警察顧問6人、国連の文民職員2人がいた。南スーダンには全体で6800人を超える兵士と警官が派遣されている。
周辺諸国も仲介に動き出した。アフリカ連合(AU)は和平に向け、エチオピアやケニアなどの閣僚や政府高官からなるチームを結成したと発表した。