反体制派地区に「たる爆弾」、90人死亡か シリア北部
(CNN) シリア北部アレッポの反体制派支配地域に1日、ドラム缶に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」が多数投下され、反体制派によると90人が死亡した。
アレッポではこれまでも政府軍が「テロリスト集団への攻撃」と称し、空爆を繰り返してきた。
英国を拠点とする反体制派組織、シリア人権監視機構が2日に発表したところによると、1日の死者の中には女性や子どもも含まれていた。反体制側の過激派「ヌスラ戦線」の拠点が狙われて戦闘員10人が死亡し、市の中央刑務所近くでも9人が死亡したという。
アレッポ市内の病院関係者はCNNに、同市アンサリ地区では4時間で17回の空爆があったと話し、多数の負傷者が出て病院職員らが混乱していると訴えた。同市へ通じる道はすべて閉鎖されているという。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは先月末、シリア情勢に関する報告書を発表し、シリア政府軍が首都ダマスカスや中部ハマの反体制派支配地域で過去1年間に数千棟の住宅を不法に破壊したと非難した。国連によると、シリアでは反政府運動が激化した2011年以降、10万人以上の死者が出ている。
シリア内戦の終結に向け、スイスのジュネーブで開かれていた国際和平協議は1月31日、具体的な成果のないまま終了した。次回の協議は2月10日から開催されるが、シリア政府側が参加するかどうかは不透明だ。