20年後も苦痛は消えず、大虐殺被害者の今 ルワンダ
娘のことは愛していて、何でもしてあげたいとマリー・ジャンヌさんは言う。半面、20年前の恐ろしい記憶をよみがえらせる存在と感じることもある。「30分ごとに気持ちが変わって罪悪感に駆られる。娘を見るたびにたくさんのことを思い出す」
マリー・ジャンヌさんは今、エイズの発症を抑えるため、抗ウイルス薬を1日に2度服用している。被害者支援団体のAVEGAによれば、「大虐殺では民兵が故意に女性をHIVに感染させた」という。
キガリにあるAVEGAの本部前には抗ウイルス薬を受け取るために、虐殺を生き延びたHIV感染者が行列を作る。そのほとんどが、マリー・ジャンヌさんと同じような過去を持つ。
それでもキレジさんは明るい未来を思い描く。「いつか偉い人になって、私と同じ状況にいる人たちを助けたい」と将来の夢を語った。