国境付近にロシア軍4万人が集結か、米大使が写真を公開
キエフ(CNN) ジェフリー・パイアット駐ウクライナ米大使は9日、短文投稿サイト「ツイッター」上に、ロシア軍の規模を4万人と推計する根拠となる複数の写真を投稿した。一方、ロシア外務省は、国境付近に展開しているロシア軍について「懸念の理由にならない」との声明を発表した。
米国は、商業衛星が撮影した画像などを使い、ロシアとウクライナ東部との国境に集結しているロシア軍の規模を4万人と見積もっている。
大使が投稿した写真は、ロシアの都市ロストフ郊外の野原で撮影されたと見られる。この野原は、昨年10月には何もなかったが、今年4月2日には多くの装甲車などが集まっている。この問題に詳しい米当局者は、これらの写真は機密の衛星画像とも「一致」すると述べた。
同当局者によると、米政府はウクライナにも情報提供を行っているが、極秘情報は対象外だという。その理由として、ウクライナは1カ月前までロシア政府と連携しており、ウクライナの治安部隊の中にはまだ多くのロシア人がいるためとしている。
ロシア外務省は9日、ウクライナとの国境付近に展開するロシア軍について、軍事演習を行っているにすぎないと指摘。通常とは異なる、または、計画外の活動は行っていないとして、ウクライナと米国が「懸念する理由はない」とする声明を出した。
ウクライナのアバコフ内相は9日、同国東部で行われている親ロシア派勢力による抗議行動について、交渉か武力により48時間以内に解決されるとの見通しを示した。
米国をはじめとする各国は、ロシアがウクライナへの軍事介入の口実にするために親ロシア派による騒動を煽っていると非難している。