インドで「世界最大の選挙」 知っておくべき11のこと
躍進の立役者は、BJPの首相候補であるナレンドラ・モディ氏。経済界寄りで、経済成長路線を鮮明にすることで支持を拡大してきた。
4.モディ氏のカリスマと論争
モディ氏は西部グジャラート州の州首相として実績をあげてきた。「剛腕」との評価が高く、シン首相とは対照的だ。モディ氏への期待は大きいが、その強権的な姿勢や右翼ヒンドゥー主義の組織とのつながりを批判する声もある。
2002年にグジャラート州で起きた暴動では、イスラム教徒をはじめとする1000人が殺害された。インド最高裁の調査では不問にされたものの、依然としてモディ氏の関与が疑われている。
この事件についてモディ氏の疑惑を問題視した米国務省は05年、同氏へのビザ発給を拒否した。しかし今年3月になり方針転換、選挙に勝利した場合には米国に歓迎するとしている。
5.国民会議派への信頼は失墜
成長の鈍化や慢性的なインフレ、相次ぐ汚職スキャンダルにより、与党の国民会議派は信頼を失いつつある。国民会議派はインドで最も歴史のある政党であり、連立政権の核として過去10年にわたり政権を担ってきた。
国民会議派の首相候補はネール・ガンジー家の御曹司であるラフル・ガンジー氏だが、首相職に対しては乗り気でないとの見方も出ている。