W杯控えたリオのコカイン街、救済に教会動く
W杯はブラジルの12都市で開催予定。各都市を結ぶ幹線道路には「クラック、自由か死か」という広告が設置されている。しかし当局のコカイン撲滅キャンペーンに対しては、狙いは街の美化にあり、問題の根本的な解決や、常用者の救済は意図していないという批判もある。
こうした中、クラックランドに毎週1回ワゴン車で出かけ、常用者支援のボランティア活動をしている教会がある。
ボランティアの1人、ロブソンさんは、麻薬を断って3カ月になる。警備員の仕事を持ち、結婚して子どもも生まれたが、10年間の麻薬使用の末にクラックコカインに手を出して中毒になり、この地に行き着いた。
「(コカインは)最初は素晴らしいものに思えるが、やがて自分の人格も、存在そのものも奪われる。ここにいる人たちはみんな、生活も家族もあったのに、麻薬にとらわれる身になった」とロブソンさんは言う。
活動では毎回、更生を目指す人たちを何人か連れて戻る。常習者たちは教会が運営するリハビリ施設で狭い部屋に寝泊まりし、自炊しながら共同生活を送っている。夕べの礼拝が終わると近くのサッカー場に出かけて2時間ほど汗を流す。