W杯控えたリオのコカイン街、救済に教会動く
ブラジル・リオデジャネイロ(CNN) 薄暗い通りでテントの下の地面にかがみこむ大勢の人たち。ショートパンツ姿の若い女性がベビーカーに大量のがらくたを乗せて通りかかる。至る所にプラスチックコップが積み上げられ、コカイン吸引用の即席パイプとして使われていた。
サッカー・ワールドカップ(W杯)の開催を6月に控えたブラジル・リオデジャネイロには、コカイン常用者が集まる「クラックランド」と呼ばれる一角がある。当局はW杯を前にコカイン撲滅キャンペーンを展開しているが、思うような成果は出ていない。
サンパウロ連邦大学によると、ブラジルのクラックコカイン消費量は米国を抜いて世界一になった。国境を接するコロンビアやペルー、ボリビアは、世界有数のコカイン原産国。経済成長によって可処分所得が増えるに従い、麻薬に手を出す人も増えた。
コップに火を付けていた男性は、「クラックは死のドラッグだと言う人もいるが、そんなことはない。私はもう8年も吸っている」と笑う。
クラックと引き換えに売春しているという女性は、ここから抜け出したいかという質問に首を振り、ライターを持っているかと記者に尋ねた。