W杯控えたリオのコカイン街、救済に教会動く
教会を創設したセリオ・リカルド牧師は、自らが15歳の時からコカインを常用していた経験を持つ。宗教と出会ったおかげでようやく立ち直ることができたといい、「泣いたことのある者にしか涙は理解できない。私には彼らの弱さが分かる」と力を込める。
教会では更生を目指す人やその家族たちが、リカルド牧師の情熱的な説教に耳を傾ける。魂を奪われたように体を震わせ、床に倒れる男性もいる。
依存状態から抜け出すために、リカルド牧師は少なくとも9カ月は更生施設に滞在するよう勧めている。しかし実際には、また元の状態に戻ってしまう人が3分の2を占めるという。
「それでもその気になれば、ここの場所は知っている。どこへ行けば助けてもらえるかが分かっている」とリカルド牧師。
ロブソンさんも同施設への入所は2度目になる。しかし今回限りにするという決意は固い。娘の15歳の誕生日までには立ち直りたいと話し、「初めて娘と一緒にケーキの前に立てるかな」と明るい笑顔を見せた。