中国、旧日本軍人の供述書を公開 日本批判強める
13年12月には安倍首相が靖国神社を参拝した。それから半年余りたった今月1日、安倍政権は集団的自衛権を行使できるようにする憲法解釈の変更を閣議決定した。
中国はこれに対抗するように、旧日本軍人の供述書を公開。日中戦争のきっかけとなった盧溝橋事件から77年を迎えた7日には、事件の舞台となった場所で大規模な式典を開いた。
米テンプル大学日本校のジェフ・キングストン氏は「中国の動きは、安倍首相が戦争の汚名返上を試みていることに対する反応だ」との見方を示す。
同氏はまた、中国共産党が90年代以降、反日的な愛国心をあおろうとしてきた動きの裏には、89年の天安門事件で損なわれた党の正統性を取り戻そうとする意図があると指摘する。
中国の指導者にとって、反日感情に駆り立てられたナショナリズムは強力な助けになり得る。政治評論家のフランク・チン氏によれば、「習近平(シーチンピン)国家主席は国民を団結させ、自身の地位を固めるためにナショナリズムの高揚を図っている」という。
中国はさらに、国際社会に向けても日本の歴史問題を訴えようとしている。