中国、米監視飛行の中止要求 南シナ海上の軍用機の異常接近
香港(CNN) 中国南部の海南島近くの南シナ海の公海上空で今月19日、同国軍戦闘機が米海軍哨戒機に異常接近したとされる問題で、中国国防省報道官は30日までに、危険かつプロに不相応な行動と非難する米政府の主張に反論すると共に、自国領近くでの監視飛行の停止を要求した。
定例会見で述べたもので、米国が両国関係の改善を望むのなら中国沿岸沖での監視活動を打ち切る具体的な措置を講じるべきだと指摘。米国が応じない場合の対応策に関する質問には、中国軍の将来の行動は様々な要因に基づいて決められると述べた。
米国防総省によると、異常接近は海南島の東約217キロの海域上空で発生。兵器搭載の中国軍戦闘機が米海軍哨戒機P8ポセイドンの下方30メートルを3回にわたって通過。最接近時の距離は約6メートルとしていた。
同省のカービー報道官によると、中国軍機は一時、ポセイドン機前方を機体底部を見せる形で垂直に飛行したと説明。搭載の兵器を誇示するのが目的の飛行と見られるとも述べていた。
国防総省によると、中国軍機によるこの種の異常接近は今年4件目とも明かしていた。
中国国防省報道官は、米側は異常接近の両機間の距離に注意を向ける一方で、米軍が中国に対して頻繁な監視活動を実施している事実を覆い隠していると反発した。
中国の軍事専門家は、米国が中国近辺で毎年実施している監視活動は約500件に達するとも主張した。
海南島周辺では2001年4月、乗員24人の米軍偵察機と中国軍の戦闘機が空中接触し、米軍機が海南島に緊急着陸を強いられる騒ぎがあった。中国政府は米軍機の責任を主張し、中国軍機が墜落し、パイロットが死亡したと述べていた。