米、イラク少数派包囲の過激派を空爆 イラク軍が町に到達
(CNN) 米軍は31日、イラク北部の町アメルリを包囲するイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」を空爆し、孤立した住民らに物資を投下した。これに続き、イラク軍が包囲を突破して町に入った。
アメルリで自警団に参加する元軍将校がCNNに語ったところによると、住民らはイラクの旗を振り、祝砲を撃って解放を喜び合った。
米国防総省のカービー報道官によれば、米軍はオーストラリア、フランス、英国と共同で人道物資を投下し、これを援護するために周囲のIS拠点を空爆した。
イラク国防総省が公開したビデオは、救出を求めてヘリコプターに殺到する人々や、炎天下で物資の到着を待つ人々の姿を伝えている。米軍が今月初め、北部シンジャル山で孤立したクルド系少数派、ヤジディ教徒の救出作戦を実施した時と同じ光景だ。
アメルリはイスラム教シーア派の少数民族、トルクメン人の町。ISはトルクメン人を異教徒と呼び、追放を宣言している。アメルリは6月中旬からISに包囲され、住民は電力や食料の供給を絶たれて深刻な状況に陥った。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のピレイ高等弁務官は先週、アメルリの住民が「大虐殺」の危機にあると警告していた。