アルカイダ、インドへの「進出」宣言 IS攻勢に焦りか
(CNN) 過激派組織アルカイダ最高指導者のアイマン・ザワヒリ容疑者は4日までに、インド亜大陸に新たに足場を築くと宣言するビデオ画像を流した。
目的については敵対勢力に対する聖戦で国土を解放、主権を取り戻し、「カリフ制イスラム国家」の再興にあると主張した。
また、ミャンマーやバングラデシュ、インドのアッサム、グジャラート両州、インド、パキスタン両国間で領有権論争が続くカシミール地方などで虐げられる住民の支持を求めるとも述べた。
今回のビデオ画像の内容について、世界のイスラム運動の中でイラクなどで台頭する過激派「イスラム国(IS)」が支持者を増やす一方、アルカイダが同調者の確保に手間取っていることを示唆するとの指摘もある。
米プリンストン大学の近東問題担当の教授は、アルカイダはISに多数の支持者を奪われていると指摘。アルカイダ構成員はアラブ系が大半だとして、インドに目を付けたとしても多くの共感が得られるとは思えないと述べた。
インドの南アジアのテロ問題分析サイトのアジット・シン上席研究員は、ISがアルカイダの勢力基盤を脅かしているのなら、それは資金問題にはねかえると説明。強硬なイスラム教徒はISに資金提供している可能性が大きいと分析した。
また、アルカイダがインドに足場を築く意図を示したのは今回が初めてではないとも述べた。
インドの国勢調査によると、同国の圧倒的な多数派はヒンドゥー教徒で、イスラム教徒の比率は13%。宗教対立も過去に起きており、グジャラート州では2002年、イスラム教徒を標的にした抗争が起き、1000人以上が殺害された。大多数がイスラム教徒だった。