世界の飢餓人口、8億500万人 9人に1人の割合
ニューヨーク(CNNMoney) 国連食糧農業機関(FAO)が16日に発表した今年の報告書によると、世界の飢餓人口は8億500万人で、9人に1人の割合となっていることが分かった。
FAOは、一部の途上国では食料不安が「容認できないほどの高さ」に達していると強調した。
アフリカのサハラ砂漠以南では4人に1人以上が十分な食料を得られない状態。マラウイでは5歳未満の子どもの半数が低体重とされる。
中東イエメンは政治、経済不安と紛争の影響で、食料不安が最も深刻な国のひとつとなっている。
人口が密集するアジアでは、5億2600万人が食料不足に苦しんでいる。
ただ、世界の飢餓人口が昨年の約8億4200万人から減少したのは事実だ。1990年に比べると、栄養不良とされる人の数は世界で2億人も減った。
特に東アジアや南アジア、中南米での改善が目立つ。インドネシアの飢餓人口は90年から半減したという。報告書ではブラジル、ボリビア、ハイチも改善例として紹介されている。
報告書は、15年までに途上国の飢餓人口を半減させるという目標に近付きつつあるものの、達成には国際社会の支援が必要だと呼び掛けた。
FAOは来月、ローマで世界食料安全保障サミットを開催する。