チュニジアで議会選、アラブ民主化の試金石

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チュニジアで人民議会選が行われた

チュニジアで人民議会選が行われた

チュニス(CNN) 北アフリカのチュニジアで26日、2011年のベンアリ独裁政権崩壊後初の正式な立法府となる人民議会(定数217)選の投票が行われた。民主主義がアラブ世界に根付くかどうかを占う試金石として注目されている。

この日はテロの脅威に備え、7万人を超える規模の治安部隊が出動した。重装備のトラックが主要道路を巡回する厳戒態勢のなか、人口の約半数に相当する500万人余りの登録有権者が投票所へ向かった。首都チュニス中心街の主要投票所では午前中から有権者の長い列ができた。

議会選には100以上の政党から数千人が立候補。2011年のベンアリ政権崩壊後、今年初めまで暫定政権を主導したイスラム政党ナハダと、世俗派政党ニダチュニス(チュニスのよびかけ)が2大勢力となっている。

チュニジアは11年、中東の民主化運動「アラブの春」の発端となった。運動を機に各地で始まった民主国家への移行が次々と失敗に終わるなか、同国に最後の望みがかかっている。

議会選の争点となっているのは、失業対策やイスラム過激派への対応だ。暫定政権下の3年間で若者の失業率は40%を超え、貧困ラインを下回る国民は倍増。こうした経済状況を背景として、過激派が若者らの間で急激に勢力を伸ばしてきた。

投票に訪れた機械工の男性(61)は「過去3年の間に起きたことが繰り返されないためにも、きょうの選挙は重要だ。革命の後、治安や経済、社会問題などすべてが悪化した」「子どもたちの働き口がなくて苦労してきた。若者が過激派に洗脳されていく風潮が心配で、工事作業員のような仕事に押し込んだ」と話した。この男性は世俗派が強い指導力で政権を率いるべきだとの考えから、ニダチュニスを支持しているという。

地域の若者が一斉に過激派指導者に説得され、国内外で戦闘員となるケースも多い。シリアにはすでに、過激派組織への参加を志願するチュニジア人3000人以上が渡航し、外国人戦闘員として最大の勢力を構成している。

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