ロシア軍の戦車多数や砲門など越境か、ウクライナ東部情勢
(CNN) ウクライナ国防省当局者は7日、ロシアがウクライナ東部で戦車32両を含む多数の兵器と大型車両を越境させ、親ロシア派勢力が掌握するルガンスク州に送り込んでいると主張した。
国境の検問所を突破し、同州へ向かったとしている。ウクライナの国営通信によると、同国政府当局者は、これら戦車などはロシア軍の戦術大隊に相当すると述べた。戦車の他、D30榴弾(りゅうだん)砲16基、大型トラック30台なども加わっている。
北大西洋条約機構(NATO)軍当局者は7日、戦車などの越境情報の確認に当たっているとし、ウクライナ東部国境沿いでのロシア軍と装備品の増強は承知していると指摘。戦車などの越境が事実なら、ウクライナ情勢を不安定化させるロシアの侵略の新たな証拠となると述べた。
一方、ロシアの国営タス通信によると、同国国防省当局者はウクライナ側の主張について挑発的な内容で緊張を高めることを狙ったものと非難した。
ウクライナ東部情勢は停戦合意の影響もあり過去数カ月間、小康状態にあるが、政府軍と親ロシア派武装勢力との間の衝突は散発している。ウクライナ国防省当局者は7日記者団に、ドンバスで過去24時間内に起きた戦闘で政府軍兵士5人が死亡、16人が負傷したと述べた。
ウクライナ政府は膠着(こうちゃく)状態にある東部情勢へのロシアの軍事介入を一貫して批判。ロシア政府はこれを全面否定している。東部のドネツク、ルガンスク両州は最近、地域指導者などを選ぶ独自選挙を実施し、ロシア政府は投票結果を尊重するとの立場を示していた。ウクライナや欧米は選挙の正当性を認めていない。