超大型台風の直撃から1年、復興進むフィリピン
(CNN) 6000人以上の命を奪った超大型台風「ハイエン」がフィリピンを直撃してから8日で1年がたつ。壊滅的な被害が出た地域も建物などの再建が進み、住民は日常生活を取り戻しつつある。直後から3度にわたって現地入りしたスウェーデンの国際援助団体プラン・インターナショナルの広報責任者ソフィア・クレミング・ノルデンショルドさんに、復興の様子を報告してもらった。
2014年5月。レイテ島の沿岸部の村に住む11歳のジェドネル君は、両親と一緒にミサに出席していた。島はあの日、台風に続いて津波のような高波に襲われ、壊滅的な被害を被った。
「僕たちは近所の家の屋根の上に逃げた。雨と風の中でものすごく怖くて寒かった。弟は寒さで唇がどす黒くなって、死ぬかもしれないと思ったけれど、生き延びた」。ジェドネル君は振り返る。
ミサに出席していた住民の多くが家族や友人を失い、犠牲者の多くは町の広場の近くに集団で埋葬された。
それでも町は活気を取り戻しつつある。牧師が冗談を言うと、笑い声が建物の外まで響いた。
ノルデンショルドさんは、「誰もが死の危険を感じ、瀬戸際に近付きながら生き延びた」「ここまで復興を遂げられたのは、フィリピンの人たちの目覚ましい回復力と生命力のおかげ」と指摘する。