エルサレムで衝突、歩行者に車突っ込み14人死傷
(CNN) ユダヤ教とイスラム教の聖地を巡り対立が続くエルサレムで5日、警察とパレスチナ人の若者の衝突が起き、続いてパレスチナ人の男が車で歩行者を次々にはねて1人を死亡させる事件があった。
衝突はユダヤ教徒が「神殿の丘」、イスラム教徒が「ハラム・シャリフ」と呼ぶ聖地で発生。イスラエル警察によると、パレスチナの若者グループがイスラエルの警官に向かって石や花火を投げつけた。
パレスチナの若者は前夜から石や火炎瓶をもって同地のモスクに集まっていたとされる。警察は若者をモスクの中に押し戻し、同地を一時的に封鎖したと説明している。
これに対してイスラム教徒の目撃者は、警察がユダヤ教徒のために道を開けようと、モスクにスタン弾を投げ込んだと証言した。
警察はその後、ユダヤ教徒と観光客の入場は認めたが、イスラム教徒は入場を禁止され、別の入り口前で祈りをささげていたところ、警察がスタン弾やゴム弾を撃ち込んだ。
赤新月社によると、この衝突で15人が負傷した。イスラエル警察は警察官数人も負傷したとしている。
一方、エルサレム東部の駅では同日、ワゴン車が歩行者の中に突っ込み、イスラエルの警察官1人が死亡、13人が負傷した。
イスラエル当局によると、車を運転していたのはエルサレム東部のパレスチナ難民キャンプに住むイスラム組織ハマス活動家の男で、警察に射殺された。
ハマスは男の行動を称賛する声明を発表。イスラエル警察は「テロ攻撃」と断定した。
さらに同日、ヨルダン川西岸でもパレスチナのナンバープレートの付いた車がイスラエル軍の駐屯地に突っ込み、イスラエルの兵士3人が負傷する事件があった。運転していた人物は現場から逃走したとみられ、警察が行方を追っている。