衆院選きょう公示――安倍首相の「賭け」の行方は
支持率は与党・自民党が30%前後に上り、最大野党・民主党は10~13%。自民党は1955年以降、ほぼずっと政権の座を占めてきた。民主党が政権を担当したのは09年からの3年間だけだ。
衆院はもともと16年いっぱい任期がある。295の現有議席を擁する自民党の安倍政権がなぜ早々と選挙に打って出るのか、その理由を巡って憶測が飛び交っている。
東京に本拠を置くコンサルティング会社、アジア・ストラテジーのキース・ヘンリー氏はCNNとのインタビューで、「不可解なタイミングだ」「これほど優位に立っている時になぜ選挙に踏み切るのか」と疑問を投げ掛けた。
世論調査でも、安倍首相がなんのために選挙を行うのか分からないという声や、選挙に費用を注ぐべきではないとする意見が過半数を占めている。
これについて、米テンプル大学日本校のジェフ・キングストン教授は、「首相は事態が悪化する前に地位を固めたいだけ」との見方を示す。野党の力が弱く混乱状態にある今は、2年間の任期延長を確保する絶好の機会ともいえる。「選挙をするのに最高のタイミングというのはないが、今が最もましなタイミングだ」と、同教授は指摘した。