ケニアの鉄道支えたインド人移民たち

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だが鉄道建設の仕事は恐ろしく厳しかった。モンバサから約1000キロメートル離れたビクトリア湖畔のキスムまでの路線を例に取ると、完成までに約2500人の労働者が命を落とした。

インドではその半世紀近く前から鉄道建設が始まっており、エンジニアも建設労働者も必要な技術を身に付けていた。新しい生活を夢見てインドからケニアに渡った労働者は3万人を超えた。

彼らを苦しめたのは厳しい暑さと長時間労働だけではない。

建設現場の周辺に、2頭の人食いライオンが出没したこともある。犠牲者は28人とも100人以上とも言われ、労働者たちがライオンを恐れたあまり、工事自体が中断する事態となった(最終的に2頭は射殺された)。

さらに、人々は病気とも闘わなければならなかった。「建設中、多くがマラリアやカラアザール(鞭毛虫の寄生で起きる病気)で命を落とした。医療機関がなかったことも多くの死につながった」と、インド系3世のコマル・シャーさんは言う。

シャーさんは今、ナイロビでヨガ教室を開いている。ナイロビやモンバサといった大都市には、このように自営業を営むインド系住民が多くいる。

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