インド洋大津波から10年 復興後も心に残る傷跡

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インドネシア・バンダアチェ(CNN) 2004年に発生したスマトラ沖地震・インド洋大津波から26日で10年になる。マグニチュード(M)9.1の地震によって発生した津波は、タイ、インドネシア、ソマリア、マダガスカルにまで押し寄せた。

特に壊滅的な被害が出たのはインドネシア・スマトラ島北端に位置するアチェだった。13万700人が死亡、56万5384人が避難し、住宅19万9766棟が損壊した。

アチェにあるラムンガ小学校も高さ4メートルの津波にのみこまれて校舎が倒壊。児童のほぼ半数が死亡し、ムハマド・サレフ校長(54)も2人の娘を失った。

それは日曜の早朝、ムハマドさんが妻と3人の娘のために朝食を作っていた時だった。足元の地面が揺れ始め、ただ事ではないと察した一家は家を飛び出した。ムハマドさんは4歳の娘を抱き、2人の娘は手をつないで走った。

そこへ津波が押し寄せた。

あれから10年。ムハマドさんは今も、4歳の娘が自分の目の前で波にさらわれた瞬間のことを忘れられずにいる。

間もなく妻とは再会でき、長女も無事だと知らされた。それから4日間、2人の娘を探し続けたが、「私が目にしたのは風船のように膨れ上がった遺体だけだった」。

「今になっても2人の娘の遺体は見つからない。妻は心の傷が癒えず、自宅に帰ることを拒んでいるので、今はNGOに提供された家に住んでいる」とムハマドさんは話す。

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