イエメン駐留の米軍特殊部隊が撤退、治安悪化を受け
19日から20日にかけて2カ所の刑務所からAQAPのメンバー数百人が脱走し、20日にはフーシ派が集まるサヌア市内のモスク(イスラム教礼拝所)2カ所で自爆テロが発生するなど、同国の治安状況は悪化の一途をたどっている。
モスクでの自爆テロでは少なくとも137人が死亡し、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が犯行声明を出した。事実とすれば、ISISによるイエメンで初の大規模攻撃となる。ISISはAQAPと同じスンニ派の過激派組織だが、両者の間に協力関係はない。
ハディ大統領は21日、アデンへ逃れてから初めてのテレビ演説で、フーシ派にはイランが加担しているなどと非難。国内の各勢力にサウジアラビアの首都リヤドで開く和平交渉への参加を呼び掛け、軍兵士らにはフーシ派の命令を拒否するよう求めた。
これに対してフーシ派の支配下にある国営サバ通信は、最高意思決定機関とされる「最高革命委員会」が「テロ勢力」と戦うために軍の出動を決め、治安・軍事機関に指示を出したと報じた。