「コーラン焼却」の女性殺害に抗議広がる アフガン
カブール(CNN) アフガニスタンの首都カブールで先週、女性がイスラム教の聖典「コーラン」を焼却したとして群衆に暴行、殺害された事件に対し、抗議の声が広がっている。
殺害されたのは27歳のファルクフンダさん。22日の葬儀は、伝統的に男性がかつぐことになっているひつぎを女性たちが肩に載せるという異例の形で行われ、政府当局者や閣僚、報道陣、市民団体のメンバーら数千人が参列した。
ファルクフンダさんには精神疾患があったと報じられていたが、父のナディルさんは地元テレビ局とのインタビューで、「娘は子どもたちにコーランの教えを説く教師だった。コーランを焼くはずがない」と涙ながらに訴えた。
両親の話によると、暴力を扇動したのは市中心部にあるモスク(イスラム教礼拝所)の指導者だという。この指導者が配っていた魔除けのペンダントを、ファルクフンダさんが「偽物だ」と指摘した。指導者は保身を図ろうと、ファルクフンダさんがコーランを焼いたと叫び出し、これを聞いた群衆が暴行を始めたという。
群衆はファルクフンダさんに殴る蹴るの暴行を加え、体に火をつけて殺害したとされる。ガニ大統領は犯行を非難し、事実の解明に向けた調査委員会の設置を指示した。
アフガンの内相が23日、議会で報告したところによると、この事件に関連して同日までに26人が逮捕された。また内務省報道官によれば、警官13人が停職処分を受けた。人権団体からは、警察がファルクフンダさんを救えなかったことに対しても非難が集中している。
24日にはカブールの最高裁判所前で大規模な抗議集会が予定されている。