猛烈な台風6号、比北東部に接近 10日に上陸か
(CNN) フィリピン当局は10日、猛烈な台風6号(ノウル)が勢力を強めながら同国北東部の地域へ接近しており、山間部で洪水や地滑り発生の恐れがあるとして住民に警戒態勢を強めるよう促した。
6号は10日未明、猛烈な台風に成長し、フィリピン時間の同日午後0時ごろにはルソン島の沿岸部が勢力圏に入った。中心付近の最大風速は約72メートル、最大瞬間風速は約87メートルとも観測された。
同国の気象観測当局によると、10日午後もしくは夕方の早い時間帯にルソン島の北東部の突端部に上陸すると予測されている。
これを受け、カガヤン、イサベラとアパヤオ各州に鉄砲水や地滑り発生の可能性があるとして上から2番目に高い警報を発令。カガヤン州北東部の地域や沖合の島々に対しては最高度の警報が出された。避難所へ移った住民は1200人以上に達するという。
6号の進路方向に位置するサンタアナ町の気候は急速に悪化し、台風の接近が非常に速いことを示しているとの情報もある。
今後約2日間の降雨量については一部地域で最大約508ミリに達するとの予想もある。英ロンドン市の1年当たりの降雨量と等しい。
フィリピンの災害対策当局によると、6号接近に伴う高波で多くの船舶は港湾内へ退避しており、乗客ら5000人以上が全国で立ち往生を強いられている。
災害対策などに当たる国際団体「アジア防災センター」によると、フィリピンは毎年、平均で20回の台風に襲われ、うち5回で大きな被害を受けている。