日本にも要員潜入、北朝鮮の元スパイが語る活動の実態
当時、本部とは短波無線で連絡を取っていたという。深夜に北朝鮮から放送される番組の中で司会者が読む番号が、次の任務を告げていた。今ではもっと洗練された通信手段が使われているはずだという。
北朝鮮の高官だったというカン・ジョンド氏によれば、北朝鮮のスパイは米国を含む世界各国で活動している。米国に潜入したスパイは数百人に上るとみられ、北朝鮮支持に傾いている韓国・朝鮮系米国人のスカウトを目標の1つとしている。
「スパイが使う手口は3種類ある」「1つ目は北朝鮮渡航ビザの無料発給。2つ目は北朝鮮と取引させて金儲けをさせること。3つ目は女性を使って誘惑すること。このやり方は80年代から広く使われてきた」(カン氏)
カン氏が1984年に勤務していたという「統一開発局」は、米国と韓国、日本にスパイを送り込む役割を担っていた。同氏によれば、同局は今も存在している。
ここから送り込まれたスパイや要員は、金正恩体制の維持に大きな役割を果たしているとカン氏は言う。キム氏も「スパイは軍高官と同等に遇され、高い教育を受ける。つまり北朝鮮はスパイを非常に重要な存在と考えている」と語った。