ロシア軍、北西部で突然の演習 NATO関与の訓練に対抗か
(CNN) ロシアのタス通信は28日までに、同国軍が北西部地域で兵士1万2000人、多数の航空機や兵器を動員しての軍事演習が開始されたと伝えた。今回の演習は突然発表されており、ノルウェーが主導し一部の北大西洋条約機構(NATO)加盟国も加わって続けられている軍事演習に対抗する狙いがあるとみられる。
タス通信はロシア国防省の情報として、演習には最大250機の航空機やヘリコプター、689に達するさまざまな兵器や装備品が用いられていると報道。仮想の敵を狙う巡航ミサイルも登場したという。
演習は軍の最高司令官であるプーチン大統領の命令で開始。抜き打ちの演習で戦闘即応態勢、中央軍管区の空軍や対空防衛網の能力を見極めるのが狙いとしている。
NATO当局者はロシア軍がこれまで突発的に実施している演習の規模や頻度についての懸念を表明。3回にわたるこれら演習に参加した兵士は8万人超とし、一部の演習はクリミア半島の併合実施やウクライナ国境近くでの大規模集結などの隠れみのになったと指摘した。
ノルウェー軍の公式サイトによると、同国が主導する演習は開始前に公表され、記者らの取材申請も受け付けていた。NATO当局者は、NATOによる軍事演習は前もって発表されるとその透明性を主張。今秋に予定される大規模演習も1年前に公にし、ロシアを含む国際オブザーバーも招待されていると説明した。
ロシアと欧米諸国は現在、モルドバやラトビアなどを含む旧ソ連圏諸国で影響力を争っている。ラトビアは既に欧州連合(EU)やNATOに加わり、ロシアは脅威の対象と受け止めている。欧米とロシアはまた、ウクライナ東部危機でもにらみ合っている。