スーダンのバシル大統領に出国禁止命令 南ア
(CNN) 南アフリカの首都プレトリアの裁判所は15日までに、アフリカ連合(AU)首脳会議に出席するため同国に到着したスーダンのオマル・バシル大統領に対して出国禁止命令を言い渡した。同大統領については、国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪や大量虐殺の罪を問う逮捕状を出していた。
バシル大統領の拘束を求めている弁護士団体がCNNに語ったところによると、ICCの逮捕状の扱いについて同裁判所で審理が行われる間、同大統領は南アフリカからの出国を禁止される。
裁判所は、南ア政府がバシル大統領を逮捕しないまま滞在させることの合法性について判断する。南アフリカはICCの求めに応じないことを閣議決定しており、この決定が国際協定よりも優先されるかどうかが争点となる。
AU首脳会議には、中央アフリカのサンバパンザ大統領を除くアフリカ諸国の全首脳が招かれている。AUは、ICCにはアフリカに対する偏見があるとの認識に基づき、加盟国に対してICCに協力しないよう要請していた。
バシル大統領は1989年のクーデターで実権を握った。ICCが2009年と10年に発行した逮捕状によれば、同大統領はスーダンのダルフール紛争で、軍や警察、ジャンジャウィードと呼ばれる民兵組織に対して特定民族を襲撃するよう指示したとされる。
ダルフール紛争では2003年の発生以来、国連の推計で30万人が殺害された。これに対してスーダン政府は、犠牲者数が水増しされていると反論している。