中国で麻薬製造の大学教授逮捕、化学専門 拠点設け海外販売
香港(CNN) 中国の国営新華社通信は9日までに、外国向けなどに数百キロ相当の違法麻薬である精神興奮剤を製造し、密売していた化学専門の大学教授らが逮捕されたと伝えた。
米国や英国、カナダ、オーストラリアなどに密輸していたとみられ、これまで売った量は少なくとも193キロ。末端価格では数百万米ドル単位になる。化学専攻の教師が覚せい剤を密造する米テレビの人気番組「ブレイキング・バッド」を地でいく犯行となっている。
新華社通信は警察情報として、名字が「チャン」の容疑者は学術研究者としてオーストラリアを訪れた際、一部の麻薬類の需要が高いことを発見。その後、「エクスタシー」と呼ばれる合成麻薬の代用品として使われる「メチロン」製造の拠点を設けた。
2005年には医療関連を隠れ蓑にした企業を創設し、社員を募集。実際は麻薬製造に当たらせ、通信販売を通じて海外に密売していた。税関職員が昨年11月、同一の郵便物の中にあった少なくとも9個の小包から白い粉を見付け、捜査が始められていた。
今年6月17日には武漢市にある製造拠点を捜索し、6人を逮捕し、麻薬約20キロを押収した。
中国では今年5月にも名字が「ルー」という大学教授と他の16人が違法麻薬を製造した疑いで逮捕される事件も起きていた。