イラン核交渉の合意の可能性は「五分五分以下」、オバマ氏
ワシントン(CNN) イラン核問題の最終解決を図る米英独仏中ロの6カ国とイランの交渉で、オバマ米大統領が合意成立の可能性が「五分五分以下」の厳しい状況にあると判断していることが9日までにわかった。
オバマ氏と7日夜、非公開で行われた会合に加わった民主党のディック・ダービン上院議員が明らかにした。同議員によると、オバマ氏は核交渉が進む間、悲観的というより楽観的な見方をしてきたと指摘。
しかし、7日夜の時点では交渉結実の可能性が五分五分以下になったとの状況認識を示したという。交渉結果への期待値が低くなったことを示唆している。交渉期限は当初6月末だったが今月7日にいったん延ばされ、さらに10日まで延長しウィーンで続けられている。
7日夜の会合に同じく参加した議員はCNNの取材に、オバマ政権は今回交渉の土壇場でイラン側が核開発研究に絡む軍事的分野の開示を拒否し、ミサイルなど武器輸出禁止の解除に固執する姿勢に虚をつかれたと指摘した。
核交渉筋によると、これまで交渉の争点となってきた欧米諸国らによる経済制裁の緩和の速度や範囲については溝が狭まっている。また、合意が成立して発効した場合、イランに許される核研究・開発の範囲についても歩み寄りがみられる。
ただ、交渉期限の10日までに最終合意に到達するのかは予測出来ないと説明。大半の争点の解決にはイラン指導部の高度の政治判断が必要とし、今週中にその判断を下さない可能性もあるとした。
オバマ政権高官は、イラン側が決断すれば合意は今日にもまとまると強調。しかしイラン側は、同国にもう1度戻って最高指導者の判断を仰ぐ機会を求める可能性があるとも語った。