トルコ軍、シリア国内のISIS拠点を初空爆
イスタンブール(CNN) トルコ軍は24日、シリア国内にある過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点3カ所を空爆した。トルコによるISIS空爆は初めてで、対決姿勢を強化した。
トルコ首相府によると、シリア国内のISISの基地2カ所のほか、戦闘員の集合場所が攻撃の対象となった。空爆はトルコ南東部の空軍基地から離陸した3機のF16により実施されたという。
トルコ政府の関係者は匿名で、同地域で武器や爆発物の在庫を増強しているとの情報から、標的が選ばれたことを明らかにした。さらなる空爆が行われる可能性も否定できないという。
トルコでは20日、自爆テロが発生し、30人以上が死亡。トルコ当局はISISによる犯行としている。また23日には、シリア北部のISISの戦闘員少なくとも5人が国境地帯に近づき、トルコ軍の国境警備部隊に銃撃。1人が死亡、2人が負傷するなど緊張が高まっていた。
これを受け、トルコのダウトオール首相は同日、国家安全保障会議の中で対ISIS空爆に踏み切る決定を下した。トルコ国境を脅かすテロ勢力には「最も強硬に応戦する」と表明。今回の空爆はシリア領空を侵犯しなかったものの、必要があれば領空内に入ることもあると発言した。ただ、シリア内戦に参戦するとの観測は打ち消した。
24日の空爆に先立っては、米国主導の有志連合によるトルコ国内の空軍基地の利用を増大させることで米国と暫定合意したとの報道が流れた。空軍基地の利用が実現すれば、米軍がトルコを拠点にイラクやシリアでISISを攻撃できるようになる可能性がある。
ダウトオール首相は24日の記者会見で、ISIS掃討戦での協力に関して米国と交渉が前進していることを明らかにしたものの、今回の空爆とは無関係だとしている。