北朝鮮、30分遅い標準時間を発表 日本の帝国主義非難
(CNN) 北朝鮮は8日までに、今月15日から標準時間を30分遅らせる「平壌時間」の設定を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
15日は日本の植民地支配からの解放70周年に当たる。グリニッジ標準時(GMT)との時差は+8時間半となり、日本の植民地支配以前と同一となる。東京とソウルのGMTとの時差は+9時間。
朝鮮中央通信は「邪悪な日本の帝国主義者たちが5000年の歴史を持つ国土と文化をじゅうりんし、標準時間を奪う容認出来ない犯罪を犯していた」などと伝えた。
韓国統一省の報道担当者は北朝鮮の標準時間の変更発表について開城共同工業団地への往来など南北交流の分野で問題が一部生じる可能性があると記者団に説明。長期的には南北統一にも悪影響を及ぼしかねないとも述べた。
韓国でも1954年から61年までは標準時間をGMTと比べ+8時間半に設定していたことがある。ここ数年間にはこの標準時間に復帰させる声も目立っていた。
北朝鮮の脱北出身者である韓国の政治家が標準時間の変更を求める法案を議会に提出し、韓国の主権を取り戻し、日本の帝国主義の残る遺物の除去に必要な措置と主張したこともある。ただ、韓国統一省の報道担当者は、「ソウル時間」は現実的な配慮で決めたもので、植民地としての歴史に根差したものではないと指摘している。
北朝鮮の暦法は西暦ではなく、故金日成(キムイルソン)主席が誕生した1912年を元年とする「主体暦」が採用されている。今年は主体歴で104年となる。