ISISが化学兵器を使用か 米当局が調査
ワシントン(CNN) 米オバマ政権の複数の当局者は13日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が今週、クルド人部隊に対する攻撃で化学兵器のマスタードガスを使用したとする報道について、「信頼できる」情報とみて捜査を進めていることを明らかにした。
化学兵器はイラク北部の町マクムールで使用したとみられるが、いずれの当局者も正確な経緯に関しさらなる情報を収集している段階であることを強調。ソーシャルメディア上には複数の証言が寄せられているが、これらの当局者は、化学兵器が使用されたと判断するに足る独自の情報を持っているとしている。
当局者はこの情報に関し、少量で低濃度の化学薬品が使用された可能性を示唆していると強調。大規模攻撃ではなかったとみられる。
一方ドイツ国防省の報道官はCNNの取材に対し、ドイツ軍がクルド人部隊を訓練している地域で化学兵器による攻撃があったとの情報について、確認も否定もできないとしている。
米国では、ISISが迫撃砲かロケットの砲弾を使って化学薬品を発射した可能性が高いとみている。ISISによる攻撃後、体調不良を訴えた人々には、塩素ガスではなくマスタードガスに関連するとされる呼吸困難の症候が見られるという。
米国の情報機関にとっての課題は、事件の経緯の正確な把握に加え、もし使用されたのがマスタードガスであればISISの入手経路を突き止めることだ。複数の当局者はCNNに対し、イラクやシリアの米国が把握していない古い化学兵器から入手した可能性があると指摘。ISISが所持している化学薬品の量も不明だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、マスタードガスは皮膚の水ぶくれや呼吸困難などを引き起こす。