未回収のゴミの山に激怒、デモ激化で負傷者も レバノン首都
レバノン・ベイルート(CNN) レバノンの首都ベイルート中心部で23日、大量のごみが未回収のまま放置されている問題に対する抗議デモが激化して、数十人の負傷者が出ている。治安部隊の報道官は、現場に陸軍部隊が展開したことを明らかにした。
現地の赤十字によると、23日の衝突ではデモ隊と警察の49人が負傷した。負傷者の10%が重傷を負っているという。
治安当局側は、デモ隊の投石や爆竹で警察官31人が負傷し、うち1人が重体になったとしている。市民1人が重体になっていることも確認したが、詳しい状況は分かっていない。
レバノンでは政府が機能不全状態に陥っており、ベイルートではゴミが回収されないまま路上にたまり続けて悪臭を放っている。
これに対して市民が反発を強め、22日から23日にかけては市中心部の広場に数千人が集結。催涙弾や放水、ゴミ放火などの騒乱に発展した。赤十字によれば、22日に23人、23日には16人が現場から病院に搬送された。
レバノンの混乱は、ゴミ回収など市民生活にかかわる問題から、大統領が選出できないといった国全体の問題にまで及んでいる。
デモに参加した男性は、「レバノン政府の宗派対立や、国民のカネを盗んで若者を国外に追いやる泥棒議会に抗議する。失業、貧困、飢えに対して抗議する」と語気を強めた。