始業式の日に自殺急増 日本の「いじめ」の現実とは
問題の根本は集団主義に重点を置く日本の教育制度にあると、ナナエさんは考える。周囲と合わせられなければ無視されるか、いじめられるかのどちらかだ。それでは個性が押しつぶされてしまう。
この見方には、専門家らも同意する。いじめを避けて家にいる子どもたちに向けて、「不登校新聞」という専門紙も発行されている。
現在は学校へ戻り、兄とともにバンド活動も手掛けるナナエさん。日本武道館をファンで埋め尽くし、海外でも演奏するのが夢だという。ブログを書くことで、自殺を考えている人をひとりでも救うことができれば――と発信を続ける。
ミナさんによれば、ナナエさんをいじめから救い出すのに大きな役割を果たしたのはインターネットだ。ネットを通して国内外の人々とつながることで、ナナエさんは自信を取り戻した。大人たちはネットを危険視しがちだが、ネットによって救われる子どもたちも確かにいると、ミナさんは力を込めた。