ネパール、インドとの国境が2カ月封鎖状態 医薬品や燃料欠乏
一方、複数のネパール政府高官は、インドがタライ地区の分断とインドへの併合を狙っていると主張。オリ首相は6日、「インドによる封鎖は戦争よりも非人道的だ」と批判し、バハドゥール副首相もテレビのインタビューで「インドはネパールに圧力をかけ、インドにとって有利になるよう憲法を変えさせるための道具として封鎖を利用している」と発言した。
これに対して在ネパール・インド大使館は「事実無根の挑発的発言であり、両国間の歴史的、家族的、文化的絆を絶とうとするもの」と非難する声明を発表した。
ネパールの赤十字社によれば、輸血用の血液も底を突きかけているといい、中国から届いた供給分も10日前後しかもたない見通し。献血車を走らせるためのガソリンも燃料不足のため入手できないという。
薬剤師協会によると、国内の医薬品は今年同国を襲った地震でほとんど使い尽くされ、在庫を補充する前に国境での紛争が持ち上がった。「村落の状況はさらに深刻化している。インドとの事実上の貿易封鎖による燃料不足のために、手持ちの医薬品を遠隔地に届けることさえできない」と関係者は嘆く。