EU、難民危機抑制へ2400億円超の基金設立
(CNN) 欧州の難民危機について話し合うため地中海の島国マルタで開かれていた欧州連合(EU)とアフリカ諸国の首脳会議は12日、EUが20億ドル(約2453億円)の基金設立を発表し、2日間の日程を終えた。
20億ドルの基金は、貧困対策、難民の流れの抑制、帰還促進のためのプロジェクトに充てる。これとは別に、EUと加盟28カ国からアフリカに対し、年間200億ユーロ(約2兆6500億円)を援助する。
EUのトゥスク大統領は、「一夜にして状況を改善できるという幻想は抱いていない。だが人々が生命を危険にさらさずに済むよう尽力する」と語った。
難民の流れを食い止めるための行動計画には、1)根本原因への対応、2)合法的な移民と移動に関する協力関係の強化、3)避難民保護の強化、4)密航や人身売買の阻止、5)欧州在留の資格がない人物の帰還促進――が盛り込まれた。
EU最小の加盟国であるマルタにも、シリアの内戦を逃れた難民などが次々に漂着している。同国のムスカット首相は「海上で多くの人命が失われる中で、我々の対応は遅すぎたかもしれない」と指摘、今回の会議をきっかけに「長期的な対策の種まき」ができることを期待すると述べた。
トゥスク大統領は、年内にトルコで次の首脳会議を開くと表明。EU首脳の非公式会合では、「迅速な行動が必要だ。トルコを含むパートナーとも協力して早急な動きを取らなければならない」と呼びかけた。