フランス、シリアで連日の報復空爆 ISISの死者は少数
イラク・イルビル(CNN) フランス空軍は16日、前日に続いて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が首都と称するシリア北部の都市ラッカを空爆した。少なくとも129人が死亡した13日のパリ同時多発テロに対する報復攻撃。しかしISIS側の死者は数人にとどまるとの情報もある。
フランス軍によると、16日の空爆はラッカ市内にある指令拠点や勧誘拠点、弾薬保管基地、訓練所を標的とした。前日の空爆でも同様の施設を目標としていた。
ラッカの反ISIS活動家組織は、16日未明にかけて爆弾24発が投下され、30回の爆発があったと伝えた。着弾したのはほとんどが郊外の施設だったが、市内の競技場や博物館も爆撃されたという。この博物館や競技場はISISに監禁施設として使われており、競技場内には司令部もあったとしている。
フランス国防省は、15日の空爆では航空機12機から爆弾20発を投下してすべて目標に命中させたと発表していた。
しかし反ISIS活動家組織によれば、ISIS側はフランス軍による報復を見越して事前に拠点から撤収していたため、戦闘員の死者は数人にとどまったという。正確な数は不明。街路は人通りが途絶え、市場の人出も少なめだった。
市民が死傷したという情報は伝えらえておらず、市民にそれほど不安そうな様子も見られないとしている。
ISISは15日の時点で、死傷者はいないと述べていた。
フランスは9月から米軍率いる有志連合に加わってシリアを空爆していた。米政府高官は、「フランスと緊密に連携して目標を見極めている」と話している。