国連安保理、シリア和平案を採択 アサド大統領の処遇は触れず

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ケリー米国務長官(左)とラブロフ・ロシア外相

ケリー米国務長官(左)とラブロフ・ロシア外相

ケリー氏によれば、シリアのアサド大統領の処遇をめぐり、安保理内で異論があった。ケリー氏は、内戦終結とシリアの政治的安定は不可分だとし、「内戦の終結がするなら、統治に関する方法についてシリア国民が合意を形成することが不可避になる」と述べた。一方、ロシアのラブロフ外相は、アサド氏を「悪魔に仕立てる」動きに警告。殺害されたリビアのカダフィ大佐らの指導者についても同様のことが起こったとして、和平協議の助けにならないと主張した。

米国務省の高官によると、ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が中心となり、国連決議の文面を微調整する交渉を進めたという。

決議の主な内容は▽シリア内戦の政治解決を目指す取り組みを国際社会で進める▽米ロなど17カ国からなる国際シリア支援グループ(ISSG)が主体となり、和平協議にあたる▽ISSGが先月、ウィーンで合意した和平計画を承認する――の3点。和平計画には、6カ月以内にアサド政権と反体制派の間で停戦を定め、新憲法起草に向けた話合いを進めることのほか、停戦協議や憲法起草にあたり双方と作業するうえで、国連に主導的な役割を与えることなどが盛り込まれている。

協議に近い外交官らによると、会合では、テロ組織とみなされ和平協議に参加できない組織のリストをめぐり、各国が激しい議論が展開。「テロ組織のリストについて今日、合意に達するのは難しいというのが一致した見方だ」という。ただ、決議案の可決には影響しないとの見方を示していた。

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