メキシコ麻薬王拘束、当局が隠れ家突入時の映像公開
しかしグスマン受刑者本人と仲間の1人は手品師よろしく、秘密の抜け道を通って家から脱出。マンホールから地下の下水トンネルに入っていた。メキシコ捜査当局の情報筋がCNNに語ったところによれば、当局がこの抜け道を発見するまでに少なくとも1時間半かかった。
2人は下水トンネルで兵士らと追跡劇を展開した末に地上へ上がり、盗んだ車で逃走を続けた。
その後、郊外の幹線道路を走るその車を警察が発見。グスマン受刑者は近くの安宿で拘束された。拘束中に撮られた写真の中の同受刑者はベッドの上で手錠をかけられており、その後ろには肌を露出した女性のポスターが張ってある。
同受刑者はやがて、下水の汚れにまみれた下着姿で警察に連行された。重警備の刑務所からの大脱走から、あと3日で6カ月が過ぎようとしていた。
海軍によると、隠れ家には同受刑者らが戦闘に備えていた形跡がみられた。メンバーの遺体の近くから、ロケット弾の発射装置や自動小銃8丁、半自動式の銃、手投げ弾、装甲車4台などが見つかったという。
グスマン受刑者は現在、脱走前と同じ刑務所に収監されているが、今後米国へ身柄を引き渡される可能性もある。同受刑者は米国内各地で麻薬にかかわる計7件の罪に問われ、起訴されている。