ロシア、ICBMを小惑星破壊用に改造の計画
ロシアが宇宙利用のために核ミサイルを改造するとの見通しは、米軍内の懸念を招く可能性がある。米国家情報長官室はすでに、宇宙でのロシアの軍事活動について懸念を表明している。
ロシアは核弾頭を搭載したICBMを多数保有しており、これらは用途変更に合わせて改造できる可能性がある。転用したミサイルに通常の弾頭を使う計画なのかは不明だが、ロシアの目標捕捉システムは大幅な改良が必要になるとみられる。
サイトガラエフ氏はタス通信とのインタビューのなかで、こうした改良には時間がかかるほか、コストも数百万ドルに及ぶと認めた。ただ、2036年には直径約325メートルの小惑星アポフィスが地球近傍を通過する見込みで、これに対し新ミサイルの性能を試したい考えだ。
天体物理学が専門の米パデュー大学教授、ヘンリー・メロシュ氏は、核兵器を転用する選択肢に警鐘を鳴らす。ロシアの取り組みは「誤っており、潜在的な危険を伴う」と指摘。小惑星の脅威について過度に深刻になる必要ないとの見方を示したほか、「時間はかかるが、他にも小惑星の軌道を変える安全な方法がある」と述べた。