イラクで数カ月紛失の放射性物質を回収、ISIS入手を懸念
イリジウム192はバスラ州で事業を進める石油関連企業の請負業者からなくなっていたもので、昨年11月に国際原子力機関(IAEA)に紛失が報告されていた。イラク政府当局者らは先週、物質は盗まれたとも説明していた。
紛失をめぐり2社が責任をなすり付け合う事態ともなっていた。
イリジウム192はガンマ線を放出させるため産業用の放射線写真などに使われる物質だが、バスラ州の請負業者は溶接部分の弱体化など送油管の構造的な問題を調べるため用いていたという。
反核団体の放射性物質の廃棄物問題の専門家によると、イリジウム192から出るガンマ線を至近距離で浴びた場合、致命的な被害が出る場合があるという。ISISなどが入手した場合、都市圏での水道の汚染や放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」などに悪用される恐れがあったとも指摘した。