エチオピアで深刻な干ばつ、80年代の大飢饉再来も
東アフリカのエチオピアやスーダン、ソマリア、ジブチなどでは「シャバブ」など武装集団のテロが続いて治安が悪化。エチオピアは米国と連携して対応に当たっている。
USAIDは災害対策の専門家約20人を派遣して技術支援や人道支援に当たるとともに、400万ドル(約4億5000万円)相当のトウモロコシや小麦の種子を22万6000世帯あまりに供給する。
国連によると、エチオピアの食料安全保障態勢は向上したものの、北部の天候不順やエルニーニョ現象の影響で、今回の干ばつがこれほど深刻化するとは予想できなかった。
国際的な支援も寄せられているが、内戦が続くシリアやイエメン、難民が大量に流入している欧州なども人道援助を必要とする中で、国際社会に「支援疲れ」が生じていると専門家は指摘する。
東アフリカは2011年にも過去60年で最悪の干ばつに見舞われ、USAIDなどは気候変動や自然災害からの回復力を高める態勢作りを支援していた。
USAIDでエチオピア援助を担当したナンシー・リンドボーグ氏は、「あれからわずか5年でさらに深刻な干ばつがエチオピアを襲い、回復力を高めることがこれまで以上に差し迫った課題になっている」「そうした取り組みがなければ、エチオピアの犠牲者は大幅に増加する」と警告している。