大半が禁止本、韓国国立図書館から見えた北朝鮮
リム氏は、韓国人が北朝鮮の複雑さを知るうえで同センターは「非常に貴重」だと指摘。「われわれは北朝鮮の体制を維持するのは不可能だとみているが、北朝鮮のことを理解しなければ不測の事態に対応できない」と話す。
図書館の職員によれば、同センターを訪れる人は1日わずか50人ほど。来場者が目にするガラスケースには鎮痛剤や、くし、衣類のほか、北朝鮮の通貨も展示されている。北朝鮮の通貨は首都平壌を訪れる外国人も通常、見ることができない。
北朝鮮の刊行物を入手するのは簡単ではない。南北間を隔てる非武装地帯(DMZ)を越えて新聞が届けられるのは不定期だ。
また韓国と北朝鮮の国民が交流できる数少ない場所の1つだった開城(ケソン)工業団地はこのほど、南北間の緊張が激化したことを受け閉鎖。図書館員は第三国を通じて仲介者から展示品を入手しなければならなくなった。
こうした仲介者の名前について、CNNでは報道しないよう要請を受けている。キム副所長によると、名前を明かせば新聞や雑誌、書籍の入手がおぼつかなくなる恐れがあるという。