中東和平交渉、米国の都合つかず延期
ワシントン(CNN) フランスはイスラエルとパレスチナの和平について話し合う中東和平交渉の日程を、5月30日から6月第1週に延期した。米国務長官が出席できるようにするための措置。欧州の外交関係者が明らかにした。
米当局者によると、国務省のケリー長官は日程の調整がつかず、5月30日には出席できなくなった。
米政権には自分たちの手に負えない状況で中東和平交渉を再開したくないという思惑があるようだ。さらに大統領選の本選が近付く中で、和平交渉に積極的に関与できる状況ではなくなることが予想される。
欧州の外交関係者によれば、現在はフランスと米国の間でケリー長官の出席について協議しているといい、「現時点では出席する方向に傾いている」とした。
フランスは、米国主導で行われてきた中東和平交渉に2014年以来進展がないことに業を煮やして今回の交渉を提案。これに対してイスラエル首相府は4月28日の声明で、パレスチナとの2者間で直接交渉に臨む用意があると述べ、「他の一切の外交イニシアティブはパレスチナを直接交渉から遠ざける」と牽制していた。
フランスは2段階の会談を提案している。まず欧州連合や米国、ロシア、国連およびアラブ連盟の約20カ国による会談を行い、イスラエルとパレスチナは2回目の会談に出席する。