比次期大統領、死刑復活を宣言 逮捕に抵抗すれば「射殺」
(CNN) フィリピンの大統領選挙で勝利したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)がこのほど行った記者会見で、死刑を復活させると宣言した。治安当局には、逮捕に抵抗しようとする者は誰であれ「撃ち殺す」権限を与えると言明している。
犯罪に対する強硬姿勢で圧勝を収めたドゥテルテ氏は15日の記者会見で死刑復活に言及し、「法は恐怖がなければ、あるいは恐怖に連動していなければ役に立たない」と持論を展開。「議会に対して絞首刑による死刑復活を促す。特に麻薬を使用した者に対しては」と宣言した。フィリピンは2006年に死刑を廃止していた。
同氏はさらに、「逮捕に対して暴力的に抵抗する者は撃ち殺すよう、警察や軍に命令する」とも語った。
ドゥテルテ氏は先週の時点で、半年で汚職を撲滅するという公約を果たせなければ辞任すると公言。選挙運動中は、犯罪者10万人を処刑してマニラ湾に投げ捨てると発言していた。ダバオ市長時代に殺人に関与したこともうかがわせている。
大統領選の正式な開票結果はまだ発表されていないものの、得票率38.6%のドゥテルテ氏が当選するのは確実。
副大統領選は開票率約90%の時点でレニ・ロブレド候補がリードしている。しかし僅差でロブレド氏を追う故フェルディナンド・マルコス元大統領の息子、ボンボン・マルコス氏は15日に勝利を宣言し、選挙に不正があったとして裁判所に申し立てを行った。