(CNN) 空港の待合室のベンチで横になったり、部屋の隅で立ったりうずくまったりする男性たち。床は大切な所持品が詰まった小さなスーツケースやビニール袋で隙間なく埋め尽くされている。
韓国ソウルの仁川空港にある待合室で、シリアの内戦を逃れて来た大勢の男女が、韓国への入国を認められるか、シリアに送還されるかの判断を待って何カ月も足止めされている。
ここで暮らして半年になるという20代のムハメドさんは、アレッポの自宅が破壊されてアサド政権から徴兵通知が届き、「戦争に加わりたくなかったのでシリアから逃げた。銃を持つことは望まない」と話す。
弁護士によれば、ムハメドさんのように難民認定を希望して同空港で寝泊まりするシリア人は180人に上る。最高でも50人しか入れない施設に詰め込まれた状態で足止めされているという。韓国司法省は、空港にいるのは116人のみだとしている。
部屋にはベッドも窓もなく、シャワーは男性用と女性用が1カ所ずつしかない。食事は1日3回のハンバーガーとコーラのみ。肉はイスラム教の戒律に従ったハラル食でないことから、ほとんどの人はパンだけを食べる。足を伸ばすため、監視付きで免税店街を歩くこともある。
司法省の許可が出なかったため、CNNは待合室を取材することはできなかったが、ムハメドさんから部屋の様子を撮影した映像の提供を受けた。