ロンドンの公共交通、「不健康な体形」の広告を禁止
(CNN) ロンドン交通局(TfL)は13日、同市内の地下鉄やバスなどから「不健康または非現実的」な体形を奨励する広告を一掃すると発表した。
先月就任したサディク・カーン市長が公約に掲げていた措置のひとつ。同市長は「十代の娘を2人持つ父親として、こうした広告に極めて大きな懸念を抱いている。市民を、特に女性たちをおとしめ、自分の体を恥じるような気持ちにさせる恐れがある。もう終わりにしてもいい時だ」と述べた。
ロンドンでは昨年、ビキニ姿の女性とともに「ビーチの体はできていますか」というフレーズを載せた広告が地下鉄駅の壁に掲げられ、数百件の苦情が殺到。撤去を求める請願に7万人以上が署名したが、規制当局は「重大かつ広範な不快感」を引き起こす可能性は低いとの判断を下していた。
禁止令の対象となるのはTfL管轄の地下鉄や路面電車、バス、バス停などのスペースに掲示される広告約1万2000件。
TfLの広告は世界最高額の収益を誇るとされ、今後2024年末までの期間で総額15億ポンド(約2250億円)に達する見通しだ。
TfLの担当部門責任者は、公共交通機関の広告はテレビやインターネット、活字メディアとは異なる責任を負うと指摘。「広告を見る人が不快感を持ってもスイッチを切ったり、ページをめくったりすることはできない」と説明した。
TfLはまた、これを機に市民の多様性が広告に反映されるよう監視する団体を設立すると発表した。